第 1 章 / 全 6 章
静寂の中に仕掛けられた罠
テーブルを囲む4人の男女。そのうちの3人が、残る1人を破滅させようと密かに動いています。ジョルジュ・ド・ラ・トゥールは1630年代後半のロレーヌでこの作品を描きました。酒場を舞台にした古くからの教訓話を、冷徹で静謐、かつ幾何学的ともいえる構図へと昇華させています。若き相続人が足を踏み入れたのは、華やかな高級娼婦、その侍女、そしていかさま師が待ち構える勝負の場。「放蕩息子」を待ち受ける3つの古典的な罠――酒、金、そして誘惑が、彼を追い詰めていきます。誰一人として視線を合わせようとしない様子に注目してください。しかし、その一つ一つの眼差しは、すべて同じ陰謀の一部なのです。